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自閉症は発達障害のひとつです。
ここでは、自閉症の特徴や原因、年齢毎の症状の現れ方などについて紹介します。病状についてより深く理解していきましょう。
目次
自閉症とは

自閉症とは先天性な脳機能障害のことです。発達障害における広汎性発達障害に分類され、社会性や対人コミュニケーションに困難が生じるなどの症状が見られます。
発症率は0.1~0.2%(約1,000人に1~2人)と言われ、特に女性よりも男性に多い傾向があります。
文部科学省では「自閉症」を以下のように定義しています。
自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
出典:文部科学省
さらに、各メディアでは以下のように定義されています。
自閉症は、発達障害のなかの広汎性発達障害に分類されます。広汎性発達障害とは「言葉や認知の面など、様々な領域において発達に遅れがみられる障害」のことを指し、自閉症以外にアスペルガー症候群などがあります。
出典:wikipedia
自閉症(じへいしょう、英語: Autism[注釈 1])は、社会性の障害や他者とのコミュニケーション能力に障害・困難が生じたり、こだわりが強くなる先天性の脳機能障害。
出典:四谷学院
自閉症は女性よりも男性に多くみられ、1000人に1~2人の割合で発症します。
出典:発達障害療法の糸口
自閉症にはさまざまな症状があり、軽度の人では健常者と区別がつかないほどの人もいます。
自閉症(自閉性障害)とは、一般的に先天性の疾患であると言われており、何らかの要因によって脳に障害が起こったものとされています。
出典:LITALICOジュニア
自閉症とは生まれつき脳の機能がうまく働かないため、3才以前の早期に症状が現れ、その困難さが生涯に渡って続く発達障害です。
出典:高知県自閉症協会
自閉症とは、先天的な脳の中枢神経の機能障がいで、自分を取り巻く様々な物事や状況が、定型発達者と呼ばれる私たちと同じようには脳に伝わらないために、 結果として対人関係の問題やコミュニケーションの困難さ、特定の物事への執拗なこだわりを呈するという障がいです
出典:ADDS
自閉症の症状

自閉症の症状は、主に以下5つの特徴が見られます。
- 社会性における障害
- 言葉やコミュニケーション能力の発達の遅れ
- 反復的な行動
- こだわりや興味の偏り
- 想像力の欠如
社会性における障害
自閉症の方は、良好な人間関係を築くことが苦手であり、社会性に問題があります。具体的には、以下のような症状が見られます。
- 目を合わせることができない
- その場の空気が読めない
- 周囲への関心が薄い
- 相手の気持ちが理解できない
- 表情が乏しい
- 知らない人にも平気で話しかける
目を合わせて会話するといったことが苦手です。視線を無理やり合わせようとすると、動揺してパニック障害に陥ることがあります。また、自閉症の方は、環境変化にうまく対応できないため、対人コミュニケーションで問題が生じます。
言葉やコミュニケーション能力の発達の遅れ
自閉症の方は、言葉やコミュニケーション能力に発達の遅れがあります。具体的には、以下のような症状が見られます。
- 言葉を喋り始めるのが、他の子と比べて遅い
- 比喩・皮肉といった、曖昧な言葉の意味を理解できない
- 相手の言葉をオウム返しする
- 自分が言いたいことだけを一方的に話す
- 呼んでも反応しない
- 意味のない言葉を繰り返す
- 目を合わせることができない、逆に凝視する
言葉を喋り始めるのが他の子と比べて遅く、喋り始めても意味のない言葉を繰り返すなど、会話が成り立ちません。また、言葉の意味を理解できないため、比喩や皮肉といった表現を勘違いして、傷つくことも珍しくありません。
反復的な行動
自閉症の方は、規則やルールに固執する傾向があり、反復的な行動を好む傾向にあります。具体的には、以下のような症状が見られます。
- 部屋の中を行ったり来たりする
- 手足を動かし続ける
- 毎日決まった行動を取り、予定外の行動は取らない
- 予想外の出来事があるとパニックになる
毎日決まった行動を取り、予想外の出来事にうまく対応できません。また部屋の中を行ったり来たりと、反復的な行動を繰り返します。
こだわりや興味の偏り
自閉症の方は、こだわりや興味の偏りが激しいです。具体的には、以下のような症状が見られます。
- 一つのことに執着する
- 好きなことには、異常なまでに執着する
- 興味がないものは、頑なにやろうとしない
好きなことに対しては、並外れた執着心を発揮します。そのため、自分の興味のある分野では、誰にも負けないほどの専門知識を磨くことができます。
想像力の欠如
自閉症の方は、想像力に欠ける傾向があります。具体的には、以下のような症状が見られます。
- 新しい環境で泣き出す
- あいさつの返事が遅い
- 臨機応変に対応できない
- 言いたいことをうまく伝えられない
柔軟性がなく、臨機応変に対応することができず、新しい環境になると、パニック状態になり、泣き出してしまいます。また、自分の気持ちを言葉でうまく表現できないため、相手に意思が伝わらないといった特徴もあります。
自閉症の特徴

自閉症によく見られる特徴としては、以下のような行動があります。
- 人と全く関わらない
- コミュニケーションがうまく取れない
- 多動・衝動性が強い
- こだわりが強い
- パニック症状
- 感覚異常
- 睡眠障害
- おかしな言葉使をする
- 感覚が極めて鈍感、敏感
- 音に対して過剰なまでに敏感
- 遊びや学習能力が極めて低い
- 反復的な行動をとる
- 泣き続ける、全く泣かない
- 手の動きが不自然
- クレーン現象がある
もしあなたの家族にこのような特徴がみられたら「自閉症」かも知れません。専門機関に相談することをおすすめします。
年齢別にみる自閉症の症状
自閉症の症状や特徴を紹介しましたが、成長過程によって自閉症状も変わっていきます。症状の現れ方を年齢別に見ていきます。
乳児期・幼児期(0~6歳)

0~6歳頃までの幼児期では、自閉症の症状や特徴が目に見えて現れないため判断が難しいです。ですが幼児期の自閉症患者は共通して、以下のような特徴的な行動を取ることが多いと言われています。
- 自分以外に全く興味を示さない
- コミュニケーションがうまく取れない
- 強いこだわりを持つ
小児期(6~12歳)

小学生になると、集団に馴染むことができず、本人がその環境に喪失感を感じる場面が増えてきます。基本1人遊びを好むようになり、人と関わることを拒むようになります。そのため、親や先生など周りの保護者の理解が大切となってきます。
- 集団に馴染めない
- 臨機応変に対応できない
- 物事を説明するのが苦手
青年期・成人期(12歳~大人)

思春期や成人では、学校や職場などで良好なコミュニケーションを築くのが困難であり、人間関係で問題が生じます。
ですが、興味を持ったことに対しては、とことん熱中するため、特定の分野で秀でた能力を発揮し、大きな成果を挙げることができます。
- 喋り方が不自然
- 相手の気持ちを読み取れない
- たわいもない雑談が苦手
- 好きなことには、とことん熱中する
自閉症の原因

自閉症は生まれつき脳に機能障害がある「先天的な発達障害」の一つです。自閉症の原因は、未だに解明されておらず、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると言われています。
自閉症の原因には、いくつかの説があります。
- 遺伝子の欠陥など「遺伝的要因」
- 脳バランスの乱れなど「生物学的要因」
- 妊娠時期の喫煙
- 妊娠中のアレルギー、ぜんそく、皮膚病の発症
現在の医学では、未だにその原因が解明されておらず、これらの要因が複雑に合わさった結果、発症するのではないかと考察されています。
また、女性よりも男性の発症率が高いことから、染色体の欠陥や異常が原因となる説が有力だと考えられています。ですが、その真相は皆無です。
自閉症の治療

現代の医学では、自閉症を根本的に治す「治療法」は見つかっていません。
ですが、適切な療育・治療を行うことで、症状を緩和することができます。多動やかんしゃく、偏ったこだわりといった、個々の症状は薬によって軽減する場合もあります。
専門家のアドバイスをもとに状態を正しく理解し、個々のニーズに合った適切な支援につなげていきましょう。
まとめ
ここでは、「自閉症」について紹介しました。
自閉症は、適切な教育や療法により治療をすることで、症状を抑えることができる病気です。もし家族に診断の疑いがあれば、専門医師に相談しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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