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ADHD(注意欠如・多動性障害)は発達障害のひとつです。
ここでは、ADHD(注意欠如・多動性障害)の症状や、子供/大人の年齢別による特徴、原因、治療法などについて紹介します。理解を深めるためにも、ぜひ最後までお読みください。
目次
ADHD(注意欠如・多動性障害)とは

ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)とは「注意欠如・多動性障害」と呼ばれ、「不注意(集中力がない)/多動性(落ち着きがない)/衝動性(考える前に行動してしまう)」の3つの特徴がみられる発達障害のことです。
年齢や成長に不釣り合いな行動を取り、学業や仕事に支障をきたすことがあります。別称を注意欠陥多動性障害とも表記されます。
文部科学省では「ADHD(注意欠如・多動性障害)」を以下のように定義しています。
ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。
出典:文部科学省
また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
さらに、各メディアでは以下のように定義されています。
ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder = AD/HD)は、別名を注意欠陥多動性障害とも呼ばれ、不注意(集中力がない・気が散りやすい)、多動性(じっとしていられない・落ち着きがない)、衝動性 (順番を待てない・考える前に実行してしまう)の3つの要素がみられる障害のことです。
出典:LITALICOジュニア
大人のADHDといっても、大人になってから初めて出現するものではありません。不注意、多動性、衝動性という3つの症状に、子どもの頃からずっと悩まされており、多くの人は自分なりの工夫や対策を考えて努力していますが、それにもかかわらず、状況が改善せず大人になり、うまく生活することができず困っているのです。
出典:大人のためのADHD情報サイト
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は英語でAttention Deficit Hyperactivity Disorderの略で、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害のことです。 年齢や発達に不釣り合いな行動が社会的な活動や学業に支障をきたすことがある障害です。
出典:LITALICO(りたりこ)発達ナビ
注意欠陥・多動性障害(ちゅういけっかん・たどうせいしょうがい、英: attention deficit hyperactivity disorder、ADHD)は、多動性(過活動)、不注意(注意障害)、衝動性を症状の特徴とする神経発達症もしくは行動障害である[1]。ICD-10における多動性障害(英: hyperkinetic disorder)はほぼ同一の概念である。
出典:wikipedia
ADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder;注意欠陥多動性障害・注意欠如多動症)は、著明な不注意、多動、衝動性の3種類を主症状とし、それぞれの現れ方によって、次の3つのタイプに分かれる発達障害のひとつです。
出典:ADHD特徴.top
ADHDは日本語で注意欠陥多動性障害と訳される発達障害の一つです。 症状の特徴に、不注意・他動性・衝動性があり、「落ち着きがない」「集中力がない」などと周囲に誤解されやすく、叱られてしまうこともあるかもしれません。
出典:発達障害療育の糸口
ADHD(注意欠如・多動性障害)の症状

ADHDの症状は、主に以下3つの特徴が見られます。
- 不注意
- 多動性
- 衝動性
不注意(ふちゅうい)
一つ目の症状として「不注意」があります。集中力を維持できず、注意が散漫になり、意識があちこちにいってしまいます。作業に長時間集中することができず、忘れ物も多い特徴があります。
例えば周りで物音がすると、音の鳴った方に意識が向いてしまい、仕事や勉強が手につきません。主に以下のような症状の特徴があります。
- 忘れ物が多い
- 注意力が散漫になり、すぐに気が散る
- 集中できない、または興味のあることに集中しすぎて他のことができない
- 整理整頓や片付けが苦手
- やり残したことがあっても、ほったらかしにする
- すぐに物を無くしたり、どこに置いたのかを忘れる
- 話を聞いていないように見える
多動性(たどうせい)
二つ目の症状として「多動性」があります。
いつも落ち着きが無くそわそわと体を動かしています。じっとしていることが苦手で、授業中や会議中にでも急に部屋を飛び出したりと、色々と問題が生じます。主に以下のような症状の特徴があります。
- じっと座っていることができない
- TPOをわきまえずに騒ぐ、静かにすべき場で静かにできない
- 落ち着きが無く、そわそわと体を動かしている
- むやみにお喋りを続ける
衝動性(しょうどうせい)
三つ目の症状として「衝動性」があります。自分の衝動を抑えられず、何かを思いついたら、突発的に行動に移してしまいます。
ルールを守れない、我慢できないなどの特徴があり、思い通りにいかない時には怒ったり、手をあげることもあるなど、感情のコントロールができません。主に以下のような症状の特徴があります。
- 順番を待てない、ルールを守れない
- 空気を読まず、思いついたらすぐに発言する
- 相手の邪魔をしたり、遮ったりする
- 気に障ることがあれば、急に乱暴になって怒り出す
ADHD(注意欠如・多動性障害)の特徴の分類

ADHD(注意欠如・多動性障害)の症状は3つありますが、人によって特徴が異なり、大きく7つのタイプに分類されます。
- 典型的ADHD
- 不注意型ADHD
- 過集中型ADHD
- 側頭葉型ADHD
- 辺縁系型ADHD
- 火の輪型ADHD
- 不安型ADHD
典型的ADHD
典型的ADHDは、集中力を持続できず、注意が散漫になりやすい、手順や秩序を整えることを苦手とし、落ち着きが無く 多動や衝動性が強いタイプです。
不注意型ADHD
不注意型ADHDは、集中力に欠け意欲が無い「不注意」が目立つタイプです。女性に多いタイプですが、特に問題となる行動が無いことから、診断されない方も少なくありません。
過集中型ADHD
過集中型ADHDは、注意の矛先を切り替えるのが苦手で、嫌な思考を忘れることができず、くよくよと気を揉むタイプです。柔軟な行動や言動ができず、何にでも反応したり、理論的っぽく反論する特徴がみられます。
側頭葉型ADHD
側頭葉型ADHDは、集中力が無くイライラしやすく暴力的な幻想や空想に悩んでいます。気分屋でころころと感情が変わり、衝動性が激しくかんしゃくを起こしやすいタイプです。
辺縁系型ADHD
辺縁系型ADHDは、集中力が散漫で常に軽いうつ状態が続いており、考え方や発想が悲観的で、マイナス思考なタイプです。「自分は何もかも駄目だ、何をしても無駄だ」という妄想に襲われる特徴があります。
火の輪型ADHD
火の輪型ADHDは、周囲の刺激に敏感に反応してしまい、ちょっとした音に注意をそらされやすく、イライラしやすいタイプです。多弁かつ反抗的な性格で、不機嫌な時期が周期的にめぐってきます。
不安型ADHD
不安型ADDは、ストレスと脳に問題があるタイプです。前頭前野皮質による機能低下がみられ、不安が体中に拡大される特徴があります。そのため、強い脅迫概念やパニック発作を起こす恐れがあります。
年齢別にみるADHD(注意欠如・多動性障害)の症状
ADHD(注意欠如・多動性障害)の症状やタイプの特徴などを紹介しましたが、成長過程によってADHD症状も変わっていきます。症状の現れ方を年齢別に見ていきます。
乳児期(0歳~1歳)

乳児期のには目立った症状が現れにくいため判断するのが難しいですが、傾向として、以下のような行動を取ることが多いと言われています。
- 目が合わない、こっちを向かない
- 抱っこすることを、極端に嫌がる
- なかなか寝付かない
- 落ち着きが無く、寝返りをうつことが多い
このような行動は成長過程でも見られる自然な行動なため、必ずしもADHDと断言することはできません。もし心配なことがあれば、児童センターなどの相談機関や小児科に相談してみましょう。
幼児期(1歳~6歳)

幼児期になるとADHDの症状が現れやすくなります。例えば以下のような行動を取ることが多くなります。
- 人を叩いたり、暴力を振るうようになる
- じっとしていることが苦手で、落ち着きがない
- よく癇癪(かんしゃく)を起こす
- 物を壊して遊ぶなど、乱暴で破壊的な行動を好むようになる
- 他の発達障害と合併して、言葉の遅れがみられる
保育園や幼稚園でよくトラブルを起こすようになり、周囲からは親のしつけがされていない、などと言われることがありますが、ADHDは先天的な脳の機能障害のため、育て方やしつけの問題ではありません。
小児期(6歳~12歳)

小学生になるとADHDの症状が顕著に現れてきます。例えば以下のような行動を取ることが多くなります。
- 自分の感情をコントロールできず、突発的な行動を起こしやすい
- じっと座っていることができず、授業中に歩き回ったりする
- 物をなくしたり、忘れることが多い
- 注意力が散漫になって、ころころと興味が変わる
- 友達と仲良くできずトラブルを起こすことが多い
- 不器用。ダンスをうまく踊れなかったり、工作などが苦手
- 相手の邪魔をしたり、誰かに話しかけられても反応せず、うわの空になっている
授業態度などを問題視されることが多いですが、本人には悪気はありません。親や学校の先生など周囲の理解が必要となってきます。
青年期・思春期(12歳~18歳)

思春期になるとADHDの症状は治まってきますが、学習障害(LD)など他の発達障害との合併症状が現れてきます。例えば以下のような行動が目立ちはじめます。
- 親や学校の先生への強い反抗心
- 友人とトラブルになることが多い
- ルールやマナーに従うことができない
- 他人と比べて、劣等感を覚える
- 勉強への意欲が失われ、著しい学力低下がみられる
- やる気が無くなり、いつも投げやりな態度
- 自分だけの世界に引きこもりがちになる
こうした症状が現れて、不登校や引きこもりなどの二次障害になりやすい傾向があります。自暴自棄になって自傷行為を起こす恐れがあるため、しっかり家族がサポートしてあげましょう。
成人期・大人(18歳~)

成人して大人になると子供の頃のADHD症状は軽くなり、日々の困難を1人で乗り越えられるようになります。
また、ADHDの性格を生かし、能力を発揮して、職場で大きな成果をあげたり、社長になったりする可能性もあります。一方で、大人になっても症状が克服されず、仕事や人間関係で悩む人もいます。
■大人のADHDでは、以下のような特徴が見られます。
- 計画を立て、順序通りに仕事や作業を進めることが苦手
- 細かいことを注意できず、仕事や家庭でケアレスミスが多い
- 約束をほったらかしたり、時間を守れない
- 片づけや整理整頓が苦手で乱雑になってしまう
- 同時にたくさんの情報を理解することができず、長い説明や一度に複数の指示を受けると混乱する
- 手間や時間がかかり、集中力が必要なものは後回しになりがち
- 一度没頭すると、途中で手を止めることができない(読書やゲーム、ネットサーフィン など)
- 長時間じっと座っていることが苦手で、手足がムズムズしてくる
子供と大人のADHD症状の違い

子供と大人ではADHDの症状の現れ方も変わってきます。
不注意(子供と大人の違い)
子供の症状 | 大人の症状 |
---|---|
勉強などで不注意なミスが目立つ | 仕事などでケアレスミスを頻発する |
すぐ物を忘れる、なくす | 忘れ物、なくし物が多い |
興味のあることに没頭しすぎて、途中で切り替えできない | スケジュール管理が苦手 |
課題などを順序立てて取り組めない | 仕事や作業を計画通りに進められない |
多動性(子供と大人の違い)
子供の症状 | 大人の症状 |
---|---|
落ち着いて座っていられない | 貧乏ゆすりが激しくなる |
催し物におとなしく参加できない | 落ち着かず、ソワソワしている |
衝動性(子供と大人の違い)
子供の症状 | 大人の症状 |
---|---|
相手が話している最中に、出し抜けに答える | 思ったことをすぐに口に出す |
欲しい物があるとダダをこねる | 衝動買いをする |
ADHD診断チェックシート

簡単なADHD診断です。以下項目にいくつ当てはまるかチェックしてみましょう。
5個以内なら・・・ADHDの可能性は低いです。
6個以上なら・・・ADHDの心配があります。
10個以上なら・・・ADHDの可能性(大)です。
※当てはまるからといって、必ずしもADHDと診断されるとは限りません。心配な方は専門機関にご相談ください。
ADHD(注意欠如・多動性障害)の原因

ADHD(注意欠如・多動性障害)の原因は、未だに解明されていませんが、社会的な活動を阻害する、脳の前側にある前葉前野付近の機能障害が関係していると考察されています。
ADHD(注意欠如・多動性障害)の治療

先天的な障害であるADHDは、医学的な治療により完治することは困難とされています。ですが、行動特性を日常生活で適切に対応することで症状の軽減が可能です。
現在では、「環境調整法、認知行動療法、薬物療法」の3つの治療があります。まずは環境調整などの心理的療養から始め、その効果や周囲との付き合い方を観察し、必要に応じて薬による治療を行っていきます。
環境調節法
苦手分野を環境を調整することで補足していきます。例えば、物忘れが激しい場合には、スマホのリマインダー機能やメモ帳を活用して学習させます。
認知行動療法
ソーシャルスキルトレーニング(SST)などによって、認知の偏りを改善し、その場に応じて適切な行動がとれるように訓練していきます。
薬物療法
ストラテタ(ADHD治療薬)やコンサータ(メチルフェニデート塩酸塩)といった、神経伝達物質を調整する薬を処方します。
まとめ
ここでは、ADHD(注意欠如・多動性障害)の症状や、子供/大人の年齢別による特徴、原因、治療法などについて紹介しました。
ADHDは適切な治療により、その症状を軽減することができます。もし家族に診断の疑いがあれば、児童センターなどの相談機関や小児科に相談しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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